○新潟県消費生活の安定及び向上に関する条例

昭和52年12月22日

新潟県条例第44号

〔消費生活の安定及び向上に関する条例〕をここに公布する。

新潟県消費生活の安定及び向上に関する条例

(平15条例10・改称)

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 危害の防止及び取引等の適正化(第6条―第13条の2)

第3章 消費者苦情の処理及び訴訟援助(第14条―第18条)

第4章 生活関連物資の確保(第19条―第22条)

第5章 啓発活動等(第23条・第24条)

第6章 立入調査等(第25条―第27条)

第7章 知事への申出(第28条)

第8章 雑則(第29条・第30条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、県民の消費生活における利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、県及び事業者の果たすべき責務並びに消費者の果たすべき役割を明らかにするとともに、県が実施する施策について必要な事項を定めることにより、県民の消費生活の安定及び向上を促進することを目的とする。

(平17条例60・一部改正)

(定義)

第1条の2 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 消費者 事業者の供給する商品等を使用し、又は利用して生活する者をいう。

(2) 事業者 商品等を供給する事業を行うものをいう。

(3) 商品等 商品、権利及び役務をいう。

(平17条例60・追加)

(基本理念)

第2条 前条の目的を達成するに当たつては、県、市町村、事業者及び消費者の相互の信頼及び協調を基盤として、県民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な生活環境が確保される中で、次に掲げる事項が消費者の権利であることを尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本としなければならない。

(1) 消費者の安全が確保されること。

(2) 商品及び役務について消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保されること。

(3) 消費者に対し必要な情報が提供されること。

(4) 消費者に対し教育の機会が提供されること。

(5) 消費者の意見が消費者施策に反映されること。

(6) 消費者に被害が生じた場合には適切かつ迅速に救済されること。

(平17条例60・全改)

(県の責務)

第3条 県は、経済社会の発展に即応して、県民の消費生活の安定及び向上を促進する基本的な施策を策定し、地域の社会的、経済的状況及び消費者の年齢その他の特性に配慮して実施する責務を有する。

(平17条例60・一部改正)

(市町村との連携)

第3条の2 県は、市町村の行う消費生活の安定及び向上を促進する施策の策定及びその実施について、必要な協力を行うものとする。

2 県は、この条例に定める施策の実施について、市町村の協力を求めるものとする。

(平17条例60・追加)

(事業者等の責務)

第4条 事業者及び事業者の組織する団体(以下「事業者等」という。)は、商品等の供給に当たつては、自主的に危害の防止、規格、表示及び取引の適正化等に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、県が実施する施策に協力する責務を有する。

(平17条例60・一部改正)

(消費者の役割)

第5条 消費者は、経済社会の発展に即応して、自ら進んで消費生活に関する必要な知識を修得するとともに、消費者相互の連携を図り、自主的かつ合理的に行動するよう努めることによつて、消費生活の安定及び向上に積極的な役割を果たすものとする。

第2章 危害の防止及び取引等の適正化

(危険商品等の供給禁止)

第6条 事業者は、消費者の生命、身体又は財産に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある商品等(以下「危険商品等」という。)を供給してはならない。

(危険商品等の調査)

第7条 知事は、消費者への危害を防止するため必要があると認めるときは、事業者の供給する商品等の安全性について、試験、検査その他必要な調査を行わなければならない。

2 知事は、前項の規定による調査のため必要があると認めるときは、当該事業者に対し、資料を提出させ、又は説明を求めることができる。

3 知事は、第1項の規定の施行に必要な限度において、事業者に対し、必要な数量の商品等の提出を求めることができる。この場合において、事業者から商品等の提出を受けたときは、その事業者に対し正当な補償を行わなければならない。

(平17条例60・一部改正)

第8条 削除

(平17条例60)

(規格、表示等の適正化)

第9条 事業者は、商品等を供給するに当たつては、次に掲げる事項を遵守するよう努めなければならない。

(1) 品質の向上及び消費生活の合理化に寄与するよう適正な規格を定めること。

(2) 消費者が合理的な選択又は適正な使用若しくは廃棄を行うことができるよう品質、機能、価格、単位価格、量目、製造年月日等を明確かつ平易に表示すること。

(3) 消費者が誤認し、又はその負担が著しく増大することがないよう過大又は過剰な包装をしないこと。

(平17条例60・一部改正)

(自主基準の設定)

第10条 事業者等は、規格、表示及び取引の適正化等に関し、事業者が自ら遵守すべき基準を定めるよう努めなければならない。

(平15条例10・平17条例60・一部改正)

(知事の基準の設定)

第11条 知事は、特に必要があると認める商品等について、規格、表示等の適正化に関し、事業者が遵守すべき基準を定めることができる。

2 知事は、前項の規定による基準を定めるときは、あらかじめ新潟県消費生活審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止するときも、同様とする。

3 知事は、前項の規定により基準を定めたときは、その内容を告示しなければならない。これを変更し、又は廃止したときも、同様とする。

4 知事は、事業者が第1項の規定により定められた基準を遵守していない疑いがあると認めるときは、その規格、表示等の実態その他必要な事項について、試験、検査その他必要な調査を行うものとする。

(平17条例60・一部改正)

(試験、検査等の体制の整備)

第12条 知事は、危害の防止及び規格、表示等の適正化に関する施策の実効を確保するため、商品等に関する試験、検査等の体制の整備及び充実に努めるものとする。

(不当な取引行為の禁止等)

第13条 知事は、事業者が消費者との間で行う取引に関する行為のうち、次の各号のいずれかに該当するものを、不当な取引行為として規則で定めることができる。

(1) 消費者に対し、販売の意図を明らかにせず、商品等に関する重要な情報を提供せず、誤信を招く情報を提供し、消費者の不安をあおる等の不当な方法で、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させる行為

(2) 消費者に不当な不利益をもたらす内容の契約を締結させる行為

(3) 消費者又はその関係人を欺き、威迫し、困惑させる等の不当な手段を用いて、契約(契約の成立又はその内容について当事者間に争いのあるものを含む。)に基づく債務の履行を強要し、又は契約に基づく債務の履行を不当に拒否し、若しくは不当に遅延させる行為

(4) 消費者の正当な根拠に基づく契約の申込みの撤回、契約の解除若しくは取消しの申出若しくは契約の無効の主張(以下「撤回等」という。)を不当に妨げ、又は撤回等に基づく債務の履行を不当に拒否し、若しくは遅延させる行為

(5) 事業者又はその取次店等実質的に商品等を供給する者(以下「供給業者」という。)からの商品等の購入を条件又は原因として信用の供与をする契約又は保証を受託する契約(以下「与信契約等」という。)について、当該供給業者の不当な行為を知り、又は知り得べきであつたにもかかわらず、その締結を勧誘し、若しくは締結させ、又は消費者の利益を不当に害する方法で与信契約等に基づく債務の履行を強要し、若しくは債務の履行をさせる行為

2 事業者は、前項に規定する不当な取引行為(以下「不当な取引行為」という。以下同じ。)を行つてはならない。

3 知事は、不当な取引行為が行われている疑いがあると認めるときは、その行為の実態その他必要な事項について、調査を行うものとする。

(平17条例60・全改)

(情報提供)

第13条の2 知事は、危険商品等又は不当な取引行為による被害の発生及び拡大を防止するため必要があると認めるときは、県民に対し、速やかに、当該危険商品等又は不当な取引行為に係る情報を提供しなければならない。

2 知事は、前項に規定する場合において、当該危険商品等又は不当な取引行為による被害が重大であり、かつ、当該被害の発生及び拡大を防止するため緊急の必要があると認めるときは、県民に対し、速やかに、同項に規定する情報のほか当該事業者の氏名又は名称、住所その他必要な情報を提供しなければならない。

(平17条例60・追加)

第3章 消費者苦情の処理及び訴訟援助

(当事者間における消費者苦情の処理)

第14条 事業者等及び消費者は、商品等の取引に関して生じた消費者の苦情(以下「消費者苦情」という。)について、相互にその解決を図るよう努めるものとする。

2 事業者は、消費者苦情を迅速かつ適切に処理するために必要な体制の整備に努め、当該苦情を適切に処理しなければならない。

(平17条例60・一部改正)

(知事等の消費者苦情の処理)

第15条 知事は、消費者苦情の申出があつたときは、速やかに、その内容を調査し、当該消費者苦情の解決に必要な措置を講ずるものとする。

2 知事は、市町村が行う消費者苦情の処理について、必要に応じ、情報の提供、技術的助言その他の必要な支援を行うものとする。

3 知事は、市町村が行う消費者苦情の処理について、当該処理が高度の専門性又は広域の見地への配慮を必要とし、当該市町村において適切に処理することが困難であるとして当該市町村から要請を受けたときは、必要に応じ、当該処理に必要な措置を講ずるものとする。

(平17条例60・一部改正)

(苦情処理委員会の調停)

第16条 知事は、前条の規定により消費者苦情の解決に必要な措置を講じた場合において、その解決が著しく困難であると認めるときは、新潟県消費者苦情処理委員会(以下「委員会」という。)の調停に付することができる。

2 委員会は、調停のため必要があると認めるときは、当事者その他の関係者に対し、資料を提出させ、又は出席を求めてその説明若しくは意見を聴くことができる。

(平17条例60・一部改正)

(訴訟援助)

第17条 知事は、事業者の供給する商品等により被害を受けた消費者が、当該事業者を相手とする訴訟(民事訴訟法(平成8年法律第109号)第275条に規定する和解及び民事調停法(昭和26年法律第222号)に基づく調停を含む。以下同じ。)を提起する場合において、当該訴訟が次の各号に掲げる要件のいずれをも満たし、かつ、公共の利益のため必要があると認めるときは、委員会の意見を聴いて、当該訴訟を提起する者に対し、規則で定めるところにより、当該訴訟に要する費用に充てる資金の貸付けその他訴訟活動に必要な援助を行うことができる。

(1) 委員会の調停によつても解決されなかつた消費者苦情に係るものであること。

(2) 同一又は同種の被害が多数発生し、又は発生するおそれのあるものであること。

(3) 一件当たりの被害額が規則で定める額以下であること。

(4) 県内に住所を有する者が提起するものであること。

(平10条例5・一部改正)

(貸付金の返還等)

第18条 前条の規定により訴訟に要する費用に充てる資金の貸付けを受けた者は、当該訴訟が終了したときは、当該貸付けに係る貸付金を返還しなければならない。

2 知事は、前項の規定にかかわらず、必要があると認めるときは、規則で定めるところにより、当該貸付金の全部又は一部の返還を猶予し、又は免除することができる。

第4章 生活関連物資の確保

(生活関連物資の調査等)

第19条 知事は、県民の消費生活の安定に資するため必要があると認めるときは、県民の消費生活との関連性が高い物資(以下「生活関連物資」という。)の価格の動向及び需給の状況を調査し、県民に対しその情報を提供するものとする。

2 知事は、生活関連物資の円滑な供給を確保するため必要があると認めるときは、関係事業者に対し、当該生活関連物資の円滑な供給その他必要な措置をとるよう協力を求めることができる。

(平17条例60・一部改正)

(指定物資の調査等)

第20条 知事は、生活関連物資の価格が著しく上昇し、若しくは上昇するおそれがあり、又はその供給が著しく不足し、若しくは不足するおそれがある場合において、県民の消費生活の安定のため必要があると認めるときは、当該生活関連物資を特別の調査を要する物資として指定することができる。

2 知事は、前項の規定により指定された物資(以下「指定物資」という。)について、価格上昇の原因、需給の状況その他必要な事項を調査しなければならない。

3 知事は、前項に規定する事態が消滅したと認めるときは、同項の規定による指定を解除しなければならない。

4 知事は、第1項の規定による指定をしたとき又は前項の規定によりこれを解除したときは、その旨を告示しなければならない。

(平17条例60・一部改正)

第21条及び第22条 削除

(平17条例60)

第5章 啓発活動等

(啓発活動及び教育の推進)

第23条 県は、消費者が自ら消費生活の安定及び向上を図ることができるようにするため、事業者、消費者、市町村及び教育機関その他の関係機関と連携して、消費者に必要な情報を提供し、消費生活に関する教育を充実し、啓発活動を推進するとともに、消費者の自主的な組織活動の育成に努めるものとする。

(平17条例60・一部改正)

(環境への配慮)

第24条 知事は、県民の健全な消費生活を推進するため、事業者による商品等の供給及び消費生活が環境に及ぼす影響について、知識の普及、情報の提供その他必要な啓発活動を行うものとする。

2 事業者及び消費者は、その商品等の供給及び消費生活に伴う環境への負荷の低減に配慮するよう努めなければならない。

(平17条例60・一部改正)

第6章 立入調査等

(平17条例60・追加)

(立入調査)

第25条 知事は、第7条第1項第11条第4項第13条第3項及び第20条第2項に規定する調査のため必要があると認めるときは、事業者に対し、その業務に関し報告させ、又はその職員に当該事業者の事務所、倉庫等に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第1項に規定する立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(平17条例60・追加)

(勧告)

第26条 知事は、事業者が第6条の規定に違反して危険商品等を供給したと認めるときは、当該事業者に対し、当該危険商品等の供給の停止、回収その他必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

2 知事は、事業者が第11条第1項の規定により知事が定めた基準を遵守していないと認めるときは、当該事業者に対し、当該基準の遵守その他必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

3 知事は、事業者が第13条第2項の規定に違反して不当な取引行為を行つていると認めるときは、当該事業者に対し、当該不当な取引行為の中止、再発防止その他必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

4 知事は、事業者が指定物資の円滑な流通を不当に妨げていると認めるときは、当該事業者に対し、不当な事業活動の中止又は再発防止その他必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(平17条例60・追加)

(公表)

第27条 知事は、事業者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該事業者の氏名又は名称、住所、当該行為の内容その他必要な事項を公表することができる。

(1) 第16条第2項に規定する場合において、事業者が正当な理由なく資料の提出に応ぜず、出席を拒み、又は虚偽の説明若しくは資料の提出をしたとき。

(2) 第25条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入り若しくは帳簿等の調査若しくは質問を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

(3) 前条に規定する勧告に従わなかつたとき。

2 知事は、前項に規定する公表をしようとするときは、あらかじめ、当該事業者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(平17条例60・追加)

第7章 知事への申出

(平17条例60・追加)

第28条 県民は、この条例の規定に違反する事業活動により、又はこの条例に定める措置がとられていないことにより、第2条各号に掲げる消費者の権利が侵害されている疑いがあるときは、知事に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとることを求めることができる。

2 知事は、前項の規定による申出があつたときは、事実の調査を行い、必要があると認めるときは、この条例に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。

(平17条例60・追加)

第8章 雑則

(平17条例60・旧第6章繰下)

(関係行政機関への協力要請)

第29条 知事は、この条例の施行に関し必要があると認めるときは、関係行政機関に対し、情報の提供、調査その他の協力を求めるものとする。

(平17条例60・旧第25条繰下)

(委任)

第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(平17条例60・旧第26条繰下)

(施行期日)

1 この条例は、昭和53年4月1日から施行する。

(新潟県附属機関設置条例の一部改正)

2 新潟県附属機関設置条例(昭和27年新潟県条例第53号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成10年条例第5号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成15年条例第10号)

(施行期日)

1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

(新潟県附属機関設置条例の一部改正)

2 新潟県附属機関設置条例(昭和27年新潟県条例第53号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成17年条例第60号)

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第8条、第11条第4項及び第13条の改正規定、第2章中第13条の次に1条を加える改正規定(第13条の2第2項に係る部分に限る。)、第16条第3項を削る改正規定、第20条の改正規定(同条第1項の次に1項を加える部分に限る。)、第21条及び第22条の改正規定並びに第6章を第8章とし、第5章の次に2章を加える改正規定(第6章に係る部分に限る。)は、平成17年11月1日から施行する。

新潟県消費生活の安定及び向上に関する条例

昭和52年12月22日 条例第44号

(平成17年11月1日施行)

体系情報
第1編 務/第8章 県民生活/第2節 消費生活
沿革情報
昭和52年12月22日 条例第44号
平成10年3月31日 条例第5号
平成15年3月28日 条例第10号
平成17年7月22日 条例第60号
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